規定未到達人

二浪一留、行きつく先は

飛翔

3月23日、当大学の卒業式。今回はそのレポートとなる。

通学5年目にしてようやく卒業を確定させた筆者も、この式典に参加することとなる。

 

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見渡す限りの卒業生。悲しいかな、留年したがために周囲に知り合いのいない筆者は、入場の時間まで敷地の隅で独り動けずにいた

 

午前中は外部の会場で卒業生全員に対する祝辞やらなんやら。来賓のご老人は喋ることに慣れていないのか、式典の終了時間を大幅にオーバー。

会場を退出の後、周辺ではサークル等で集まって集合写真を撮る等のアクションがそこら中で発生。無論、同期が皆卒業しているため集合写真を撮る相手がいない筆者は、さっさと会場を立ち去った。立ち去って、午後の学部毎に行われる式典に向かうことにしたのだが

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銀だこハイボール酒場にて、たこ焼き6個とハイボール

真昼間のハッピーアワーで600円ほど。この銀だこハイボール酒場、ここ2~3年、精神的に辛くなった時や夕方の予定が空いた時に通って発散する場所になっていたのだが、まさかの卒業式当日が、学生としての行き納めとなった。

 

大学に向かう間の電車で、所属する団体の後輩たちと遭遇。彼らもまた卒業生であり、午前の式典後に挨拶が叶わなかった分ここで会えてよかった。

 

午後の学部毎の式典。1人1人に対して、学位記の授与が行われた。大学5年目が始まる当初のガイダンスにて、筆者が1年生時受講していた基礎ゼミナールの担当の教授から、今年はがんばれよ!との言葉を受け、今年度中に必死に約40単位をかき集めた...という経緯があるのだが。学位記を一枚ずつ渡す役がその方であり、学位記を受け取る際、よくがんばったな!と声をまたかけていただき、これがこの日唯一の泣き所となった(勿論泣きはしなかったが、この内容を書いている最中にさすがに涙は出た)。

 

この式典の後には教授らを交えて大教室にてパーティがあったらしいが、相変わらず留年のために知り合いのいない筆者はそそくさと帰宅の途についたのだった。

 

帰宅の折、学生として何百、何千回と通った大学敷地内のとある道を通ったのだが、ここは両側の植え込みがすべて桜の木であり、4月初旬、入学式くらいには満開の桜が咲き乱れる。3月23日現在では一部咲いているものもあるが、ほとんどは蕾の状態といった感じで、丁度来週には満開になると思われる。

桜の花には不思議な力があると感じている。二浪して大学に入り不安だらけだった大学1年目、所属する団体の責任者として常に同期後輩への対応について苦心していた大学2年目、留年や就職の恐怖に怯え続けた大学3年目と4年目、そして二浪一留となり、自身の現状を省みて死をも背後に感じていた大学5年目。いずれも、この通りの満開の桜を見れば、何もかもリセットされ、一歩前に踏み出すことができた。本当に感謝、感謝。

しかしそれ故に、この満開の桜を6度見ることが叶わぬ夢となったのは非常に残念なことである。

 

卒業式のレポートは以上となる。

さて、年上または同い年の後輩であるにも関わらず、筆者に対し優しく接していただいた先輩方。いつも筆者と仲良く遊び、時には助けてくれた同期。こんなしょーもない知恵遅れ責任者についてきてくれた上、時には試験の過去問さえ提供してくれた後輩くん達。

私がここまでこぎ着けたのは、あなた達のおかげです。改めて、ここに感謝の意を申し上げます。

 

これにて私の5年間の学生生活は終了した。

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